カリウムは、猫にとって必須の栄養素であり、神経や筋肉の正常な機能に必要不可欠なミネラルの一つです。
猫の体内では、カリウムは細胞内液に存在し、正常な神経伝達や心臓の機能に重要な役割を果たしています。また、カリウムは腎臓の健康にも重要であり、腎臓機能が低下する病気の治療にも役立ちます。
この記事ではそんなカリウムについて簡単に解説しています。
ぜひ最後まで読んでもらって、幸せな猫くらしをできるようにしていきましょう。
見たい項目に飛べる"目次"
カリウム-Potassium
カリウムとは
カリウムは、猫にとって必要不可欠な栄養素であり、神経や筋肉の正常な機能を維持するために必要です。カリウムは、細胞内液に豊富に含まれており、神経や筋肉の興奮や収縮を調整する役割を持っています。また、カリウムは、体内の酸塩基平衡を調整するためにも重要な役割を持っています。
猫がカリウム不足になると、神経や筋肉の正常な機能が損なわれることがあります。その症状には、筋肉の痙攣、体重減少、食欲不振、消化器系の異常、心臓のリズム障害などが含まれます。一方、カリウム過剰症は、猫にとっても問題となり得ます。過剰なカリウムの摂取は、筋肉の弱さや麻痺、心拍数の増加、心臓停止などの症状を引き起こすことがあります。
猫が適切な量のカリウムを摂取するためには、バランスの良い食事を与えることが重要です。獣医師が推奨する猫用のキャットフードには、必要な量のカリウムが含まれているため、通常はカリウム不足になることはまれです。ただし、猫に人間用の食品を与える場合には、カリウムの含有量に注意する必要があります。
特に、腎臓病や尿路感染症を患っている猫には、カリウムの制限や補充が必要な場合があります。腎臓病や尿路感染症の治療においては、獣医師が指示するカリウムの制限や補充に従うことが重要です。
カリウムは、猫にとって必要不可欠な栄養素の一つであり、適切な量を含む食事を与えることで、猫の健康維持に貢献することができます。しかし、カリウム不足や過剰症を引き起こす可能性があるため、獣医師の指示に従って食事内容を調整することが重要です。
カリウムの体内での働き
カリウムの体内での働きは次のようなものがあります。
- ナトリウムと共に水分バランスの調整
- 神経伝達のサポート
- 筋肉の機能の調整
- ph調整
- ナトリウムを排出、血圧調整
このような働きをしています。
カリウムは、ナトリウムと協力して働いています。カリウムは細胞内液に存在し、ナトリウムは細胞外液に存在しています。
そして、カリウムはナトリウムと協力しながら、細胞内液の容量を調整して、浸透圧をコントロールしたり、酸やアルカリの平衡を保っています。
カリウムの摂取量と過不足の影響
カリウムが不足のときの影響
カリウムは通常の総合栄養食のフードを取っていれば基本的には不足することがあまりないとされています。
しかし、高齢猫などや、病気などによって、腎臓の機能が低下したりすると、カリウムが欠乏しやすくなります。
通常はあまり覚えなくても大丈夫ですが、万が一に備えてカリウム欠乏について記しておきます。
カリウムが不足すると低カリウム血症となる
低カリウム血症とは、何らかの原因で血中カリウム濃度が低くなってしまい症状が出てしまっていることです。
症状としては次のようなものがあります。
- 筋力低下
- けいれん
- 不整脈
- 食欲不振
- 脱力
- 麻痺
カリウムは筋肉に作用しているので、脱力、けいれん、麻痺などの症状が起きます。
高齢猫は腎機能低下によるカリウム不足に注意
高齢になると腎臓の機能が低下しやすくなります。
腎機能が低下すると、尿をコントロールする機能が低下して、多尿になります。
すると、その尿と一緒にカリウムが排出されてしまい、カリウム不足となります。
高齢になればなるほど腎臓の機能が低下しやすいので注意が必要です。
カリウムが過剰の時の影響
何らかの原因で、カリウムが排出されなかったり、血中濃度が高くなってしまうと様々な影響があります。
カリウムの血中濃度が高くなって様々な症状が出てきた時のことを、高カリウム血症と言います。
高カリウム血症の症状
高カリウム血症になると、次のような症状が出てきます。
- 不整脈
- しびれ
- 筋力の低下
低カリウム症状と同じような症状が出てきます。
カリウムは筋肉に作用するので心臓にも影響を与えます。
高カリウム、低カリウムどちらも、最悪の場合死に至ることもあるので、過不足には注意が必要です。
カリウムの最低摂取量の基準
カリウムの最低摂取基準はAAFCOにて定められています。
カリウムの最低摂取基準量は、
成長期、成猫共に、0.6%以上
となっています。