セレンは、猫にとって必要な微量栄養素の一つであり、酵素の構成成分として重要な役割を持っています。また、抗酸化作用もあるため、体内の酸化ストレスを軽減する効果があります。
セレン欠乏症は、猫にとっては稀な病気ですが、その症状には、筋肉の動きの低下、発育不良、心臓病、不妊症などが含まれます。一方、セレン過剰症は、猫にとっても問題となり得ます。
過剰なセレンの摂取は、猫の体内で蓄積され、消化器系、神経系、肝臓などに損傷を引き起こすことがあります。
この記事ではそんなセレンについて簡単に解説しています。
ぜひ最後まで読んでもらって、幸せな猫くらしをできるようにしていきましょう。
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セレン-Selenium
セレンとは
セレンは、猫にとって必要不可欠な微量栄養素の一つであり、セレン含有酵素の構成成分として重要な役割を持っています。
猫において最も重要なセレン含有酵素は、グルタチオンペルオキシダーゼであり、酸化ストレスを軽減する抗酸化作用を持っています。また、セレンは甲状腺ホルモンの生合成や免疫機能の維持にも重要な役割を担っています。
セレン欠乏症は、猫にとっては極めてまれな病気ですが、その症状には、筋肉の動きの低下、発育不良、心臓病、不妊症、抗酸化能力の低下などが含まれます。
一方、セレン過剰症は、猫にとっても問題となり得ます。過剰なセレンの摂取は、猫の体内で蓄積され、消化器系、神経系、肝臓などに損傷を引き起こすことがあります。
商業的に製造されたキャットフードには、猫に必要な栄養素がバランス良く含まれているため、適正な量のセレンが含まれています。ただし、自家製の食事を与える場合は、セレンの量が十分であることを確認することが重要です。
セレンの体内での働き
セレンの働きには次のようの働きがあります。
- 抗酸化作用
- 有害物質の無毒化
- 甲状腺ホルモンの活性化
抗酸化作用
セレンは活性酸素に対抗する抗酸化酵素の合成にも使われていて、体の酸化を防ぎ、老化防止などに効果があります。
ビタミンEと一緒に摂取すると、より高い効果が期待できます。
有害物質の無毒化
セレンには、水銀などの重金属の毒性を軽減させる働きを持っています。
無機水銀の腎臓障害や、有機水銀の神経障害などを軽減させることが分かっています。
甲状腺ホルモンの活発化
セレンは甲状腺ホルモンのサイロキシン(T4)を活性型のトリヨードサイロニン(T3)に変換する際に必要なミネラルです。
T4は活性型ではないため働きが悪く、通常はT4がT3に変化して体内に良い影響を与えているといわれています。
そのため、T4をT3に変換させるために必要なセレンは、重要なミネラルの一つになっています。
セレンの過不足のときの影響
セレンが不足のときの影響
セレンは吸収率が高いため、不足することは少ないとされていますが、
次のような影響が考えられます。
- 食欲低下
- 呼吸困難
- 昏睡状態
セレンが過剰のときの影響
セレンが過剰のときは次のような症状が考えられます。
- 食欲低下
- 神経障害
- 呼吸困難
セレンは毒性が高いので、通常のキャットフード以外のサプリなどからは、摂取は控えるようにしてください。
セレンの最低摂取量の基準
セレンの最低摂取基準はAAFCOにて定められています。
セレンの最低摂取基準量は、
成長期、成猫共に、0.3mg/kg以上
となっています。